フィリピンの永住権「SIRV」とは?申請資格や費用・取得手順を解説

フィリピンの永住権「SIRV」とは?申請資格や費用・取得手順を解説

フィリピンは長年、リタイアメント世代にとって魅力的な移住先として知られてきました。
近年では、ビジネス展開しつつ、手頃な価格で暮らせるリゾート地として、若い旅行者や起業家の間でも人気が急上昇しています。

その中で、特に注目されているのが「SIRV(特別投資家居住ビザ)」です。
SIRVは、フィリピン国内に一定額以上の投資をすることで、実質的な永住権を得られるビザです。

この記事では、フィリピン永住権SIRVの概要をはじめ、申請資格、必要な費用、具体的な取得手順について詳しく解説します。
フィリピンでの永住を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

 

フィリピンの永住権「SIRV」とは

フィリピンの永住権「SIRV」とは

SIRV(特別投資家居住ビザ)は、21歳以上の外国人がフィリピン国内で75,000USD以上の投資をすることで取得可能なビザです。
外国人投資家のフィリピン経済への貢献を目的としており、所定の投資額が維持されている限り、無期限での滞在が許可されます。

また、投資対象は幅広く、フィリピン国内での就労も可能です。
フィリピンでビジネスを立ち上げたり、現地企業に就職したりと、経済活動を自由に行えます。

フィリピンでのビジネス展開を検討している投資家にとっては、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

引用元:Philippine Board of Investments|QUESTIONS & ANSWERS

 

SIRVの申請資格

SIRVを申請するには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 21歳以上の外国人であること
  • 75,000USDを投資する意思がある事
  • 精神病や伝染病にかかっていないこと
  • 犯罪を犯していないこと など

比較的若い年齢でも申請可能なので、早い段階からフィリピンでの生活やビジネスチャンスを確保できるでしょう。

フィリピンにおけるビジネス事例に関する詳細は、以下の記事をご覧ください。

【関連記事】フィリピンのビジネスチャンス|3つのメリットや注意点を詳しく解説

 

フィリピン永住権「SIRV」の取得にかかる費用

フィリピン永住権「SIRV」の取得にかかる費用

フィリピンの永住権「SIRV」の取得に必要な費用は、下表のとおりです。

内訳 金額
申請料

・本人:300USD相当のPHP

・配偶者:300USD相当のPHP

必要預金 7万5,000USD
諸費用

・定期預金から投資への移管

・SIRVの仮発給から無期限SIRVへの変換

・SIRV IDの発行 など

SIRVを取得する際は、事前に要件の詳細と手続きの流れを確認し、必要な資金計画を立てることが重要です。

 

「SIRV」における投資対象

「SIRV」における投資対象

投資先として許可されているのは、以下の4つです。

  1. 上場企業
  2. 優先投資計画(IPP)に記載された分野の企業
  3. 製造業またはサービス業の企業
  4. 政府証券(国債など)

なお、過去には、小売業の企業やコンドミニアムへの投資も許可されていましたが、現在は投資対象として許可されていません。
ビザ取得に必要な書類手続きが簡単な点を考慮すると、公開企業への投資が最も適しているといえるでしょう。

 

フィリピン永住権「SIRV」の申請に必要な書類

フィリピン永住権「SIRV」の申請に必要な書類

フィリピン永住権「SRRV」の申請に必要な書類は、以下のとおりです。

  • SIRV申請書
  • 許可された6か月間の滞在期間が有効なパスポート原
  • 健康診断書
  • 無犯罪証明書ならびにNBIクリアランス
  • 送金証明書
  • 投資証明書
  • 履歴書(14歳以上の扶養家族含む) など

なお、仮SIRVの有効期間である6か月以内に7万5,000USD以上の投資をし、証明する書類を提出しなくてはいけません。
6か月を超えて行われた投資は、遅延に対するペナルティとして、1,000PHPに追加して遅延日数+100PHPの支払が課せられるため注意が必要です。

 

フィリピン永住権「SIRV」の取得手順

フィリピン永住権「SIRV」の取得手順

フィリピン永住権「SIRV」の取得手順は、以下の9ステップです。

  1. 必要書類を揃える
  2. フィリピンへ渡航する
  3. 申請意思を示す同意書をBOIへ提出する
  4. 銀行口座を開設する
  5. 開設した銀行へ75,000USDを送金する
  6. 必要書類をBOIへ提出する
  7. 仮SIRVを取得する
  8. 口座資金を指定の投資対象に変換する
  9. SIRVを取得する

所要日数については下表のとおりです。

  フィリピン投資委員会(BOI) 移民局(BI)
仮SIRV(1~7ステップ) 7営業日 7営業日
暫定SIRV(8~9ステップ) 最低10営業日 最低10営業日

SIRVがパスポートに適用されるまでに出国すると、再度審査が必要になる可能性もあるため注意が必要です。

なお、弊社GRS株式会社は、ビザ取得から資産運用までトータルでサポートいたします。
SIRVの取得サポートも鋭意準備中ですので、取得を検討している方は、お気軽にご相談ください。

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【関連記事】フィリピン永住権の取得方法と必要となる費用 免税についても相談を

 

SIRVと他のフィリピン永住権の違い

SIRVと他のフィリピン永住権の違い

SIRVと他のフィリピン永住権のおもな違いは、以下のとおりです。

  • 所管官庁
  • 制度目的
  • 必要条件 など

SIRVは、フィリピンでの投資に積極的に取り組みたい方におすすめです。
年齢や投資目的に応じて、どのビザが適しているかを検討しましょう。

 

違い①:初期費用が高額

SIRV取得には、7万5,000USDという高額な初期投資が必要です。
フィリピンの平均年収が約53万7,000PHP(月額4万4,800PHP)である点を踏まえると、投資額は現地の経済水準において非常に高額といえるでしょう。

なお、投資額が高額に設定されている理由は、経済発展に寄与するプロジェクトや企業の成長を支援するためです。
海外の投資家がSIRVプログラムを利用することで、フィリピン経済の安定的かつ長期的な発展が期待されてます。

引用元:The Complete Guide|Average Salary in Philippines 2024

 

違い②:1年毎に投資内容報告書の提出が必要

SIRV保持者の投資状況を確認するために、1年毎の投資内容報告書の提出が義務付けられています。
ただし、特定分野に該当する企業など、投資先によっては3年に1度の提出も認められています。

なお、投資内容報告書は「BOI|SIRV年次報告書フォーム」からダウンロード可能です。

SIRV ID更新時に誓約付き投資内容報告書と、関連する書類を提出しましょう。

 

違い③:出入国手続きや外国人登録が免除される

SIRVは他のフィリピン永住権と比較して、出入国手続きや外国人登録の免除という大きな優位性があります。
出入国手続きや外国人登録が免除されることで、迅速かつスムーズにフィリピンを行き来できるでしょう。

なお、SIRV取得者はARC I-カード(外国人登録証)の取得は必要ありませんが、代わりにSIRV IDカードが必要です。
SIRV IDは、フィリピン出入国時に提出する必要があり、発行にあたり1人あたり2,000PHPの費用がかかります。

また、SIRV IDカードは通常1年ごとに更新手続きをしなくてはいけません。
ただし、BOI登録企業や各種経済特区(PEZAなど)にある企業への投資の場合は、3年ごとの更新となります。

以下のYouTubeでは、フィリピンで取得できる各永住権について詳しく解説しています。
魅力溢れるフィリピンに永住したい方は、ぜひご確認ください。

 

フィリピン永住権「SIRV」の取得をご検討の方へ

フィリピン永住権「SIRV」の取得をご検討の方へ

SIRVを取得すると、フィリピンへの出入国手続きや外国人登録が免除されるため、スムーズな移住が可能になります。
また、ビジネス活動も自由に行えるため、フィリピンでの事業展開にも最適です。

ただし、SIRVを維持するためには、毎年投資報告書を提出し、投資額を維持する必要があります。
計画的な運用が求められる点に注意が必要です。

フィリピンでの永住を検討している方は、SIRVのメリットを最大限に活かして、新しい生活をスタートするのもよいでしょう。

なお、弊社GSR株式会社では「フィリピン永住権セミナー」を定期的に開催中です。
フィリピンでの投資に興味がある方は、ぜひ参加をご検討ください。

セミナー・イベントページはコチラ

また「オンライン個別相談」も受け付けております。
SIRVをはじめとするフィリピン永住権の取得手順や投資方法など、詳細情報を知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修

家村均
家村均

一般社団法人 フィリピン・アセットコンサルティング
エグゼクティブ・ディレクター
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慶応義塾大学経済学部卒業後、東急に入社し、海外事業部にて、米国・豪州・ニュージーランド・東南アジアなどで不動産開発や事業再構築業務に従事。
また、経営企画部門にて東急グループの流通・メデイア部門の子会社・関連会社の経営・財務管理を実施した。(約15年)
その後は、コンサルティングファーム(アクセンチュア)や投資ファンド(三菱UFJキャピタル)などで、企業や自治体の事業再構築、事業民営化等の支援や国内外のM&A案件のアドバイザリーを実施し、2018年10月より、GSRにて、日本他の投資家および企業、ファンドなどに対してフィリピン不動産への投資や事業進出のアドバイザリーを行っている。

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