フィリピン大統領選挙の行方

フィリピンの次のリーダーを決める6年に1度の大統領選挙の投票が9日朝、全国各地で始まった。即日開票し、一両日中に大勢が判明する見通しだ。
事前の世論調査ではフェルディナンド・マルコス元上院議員(64)が優勢を一貫して維持してきた。大統領選と同時に実施される副大統領選は、マルコス氏と連携し、ドゥテルテ大統領の娘であるサラ・ドゥテルテ氏(43、南部ダバオ市長)が優勢だ。
9日には約6,500万人の有権者が、全国各地の会場で一票を投じる。投票は同日夜に締め切られ、早ければ同日中にも大勢が判明する。
大統領に加え、副大統領、上下両院議員、州知事など地方の主要ポストを同時に決める国政・地方統一選挙となる。
大統領選に決選投票はなく、最も多く票を集めた候補が当選し、6月末に大統領に正式就任する。憲法は大統領の再選を認めておらず、ドゥテルテ氏は政界引退を表明済み。
大統領選には10人が立候補しており、調査会社パルスアジアが4月に実施した世論調査ではマルコス氏が56%の支持を得て首位だった。マルコス氏は独裁政権を敷いた故マルコス元大統領の長男で、SNS(交流サイト)を積極的に活用して、独裁時代を経験していない若い有権者の間で支持を広げてきた。ドゥテルテ氏と同様に中国には融和姿勢を示しており、原子力発電所の稼働にも意欲をみせる。
4月の世論調査で23%の支持を獲得し、2位だったレニー・ロブレド副大統領(57)は弁護士出身で、前回16年の副大統領選ではマルコス氏を破っている。対中政策では南シナ海の領有権問題を重視する姿勢を見せており、選挙集会で多くの支持者を集め、マルコス氏を追い上げている。元プロボクサーのマニー・パッキャオ上院議員(43)やイスコ・モレノ・マニラ市長(47)らも立候補している。
副大統領選の世論調査では、サラ・ドゥテルテ氏が5割を超える支持を獲得し、他候補を引き離している。南部ミンダナオ島の主要都市であるダバオ市長のサラ氏はとりわけ南部で知名度が高く、北部ルソン島に厚い支持基盤を持つマルコス氏と組んで、全土に支持を広げてきた。

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出典:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM081WB0Y2A500C2000000/

この記事の監修

家村均
家村均

一般社団法人 フィリピン・アセットコンサルティング
エグゼクティブ・ディレクター
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慶応義塾大学経済学部卒業後、東急に入社し、海外事業部にて、米国・豪州・ニュージーランド・東南アジアなどで不動産開発や事業再構築業務に従事。
また、経営企画部門にて東急グループの流通・メデイア部門の子会社・関連会社の経営・財務管理を実施した。(約15年)
その後は、コンサルティングファーム(アクセンチュア)や投資ファンド(三菱UFJキャピタル)などで、企業や自治体の事業再構築、事業民営化等の支援や国内外のM&A案件のアドバイザリーを実施し、2018年10月より、GSRにて、日本他の投資家および企業、ファンドなどに対してフィリピン不動産への投資や事業進出のアドバイザリーを行っている。

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