フィリピンの経営者が、将来の事業成長に自信・楽観 〜PwC調査レポート〜

フィリピンの多くの最高経営責任者(CEO)は、インフレと経済の不確実性からの脅威にもかかわらず、次の12か月での収益成長の見通しに自信を持っています。
PwCフィリピン(プライスウォーターハウス)とフィリピン経営者協会(MAP:Management Association of the Philippines)の共同で行われた調査の結果によれば、157人のCEOのうち79%が、次の12か月で収益成長が見込まれると楽観的です。
ただし、昨年の調査と比較すると、CEOの楽観姿勢がやや低下しています。昨年は119人のCEOのうち87%が次の12か月でトップラインの成長に自信を持っていると回答しました。
今年の調査では、CEOのうち39%が収益成長に「非常に自信がある」と回答し、昨年43%でした。
また、88%のCEOは自社が次の3年間で収益成長を見込んでいます。前回は89%でした。
また、次の12か月でインフレの影響が大きいと考えるCEOが39%がおり、51%がやや影響されると考えています。
マルコス政権のパフォーマンスが、CEOの高い楽観主義に寄与した可能性もあるとされています。
CEOたちは、マルコス政権に対して、他国と良好な関係を築くこと(64%)、インフラ開発を推進すること(62%)、外国からの投資を誘致促進すること(46%)において、高い評価をしています。
CEOの約83%は、企業がコロナの影響から完全回復したと回答しています。
これは経済の完全な再開、旅行制限の解除、消費者需要の正常化が起因しています。
昨年の報告では、CEOたちは、不確実性がまだ残っているとして、52%がパンデミックから回復するには約2年かかると回答していました。
CEOたちは、次の12か月で実施する主要な取り組みとして、フィリピン以外の新しい地域域に進出すること(28%)、新しい事業領域に進出すること(26%)、国内でM&Aを実行すること(20%)としています。
また、CEOの大多数は、優先的な投資として、企業の人材スキル向上を挙げています。

フィリピン投資委員会(BoI:Board of Investment)は、2022年年間で承認した7,290億ペソを上回る8,000億ペソ相当の投資を、2023年9月時点ですでに承認しました。
パスカル貿易大臣は、BoIの年間投資承認額が1.5兆ペソの目標に向かって順調に進んでいるとし、さらに超える可能性もあると述べました。
フィリピンはASEAN内での外国直接投資(FDI:Foreign Direct Investmtnt)のトップ2の目標を掲げており、BoIの投資承認額は、重要なバロメーターです。

フィリピン中央銀行(BSP)の逆取引(reverse repurchase (RRP))の可変金利オークション形式への移行は、中央銀行が借入金利を調整する際に、実態経済やマーケットへの影響の遅れを短縮するのに役立つ可能性があるとされています。
BSPの副総裁Francisco G. Dakila氏は、RRP Rateの実施と可変金利オークション形式への移行は、主に運用上の変更であり、BSPの通貨政策姿勢に影響を与えるものではないとしています。
この改革は中央銀行の市場運用の効率を向上させ、通貨政策の実行性を強化し、銀行の融資業務にも役立つかもしれないと述べました。
2023年9月8日(金)から、BSPはRRPの可変金利形式に移行し、市場決定の短期金利であるON RRP Rateを導入します。
BSPはまた、現在の6.25%の政策金利の名称を「Target RRP Rate」に変更しました。
Target RRP Rateは政策決定会合で、モネタリーボードによって決定されますが、ON RRP Rateは日々のオークション結果に基づいて毎日変動します。
つまり、ON RRP RateはTargetと同じことも、Targetより高くなることもありますが、BSPの目標はON RRP RateをTargetに近づけることだとしています。
モネタリーボードは、2022年5月から2023年3月までに、政策金利を425ベーシスポイント引き上げ、6.25%にしました。
また、BSPは、BSPの市場への影響は、長い間限定的だったとし、3,050億ペソしか中央銀行が保有できなかった政府証券の数量を、2023年7月中旬からは、RRPへのすべての申し出を受け入れるようになり、その金額は3,050億ペソから5,000億ペソ以上に増加しました。
BSPはBSP憲章により政府証券の購入および売却が認められています。

今週は、フィリピンに実態経済の状態を良く反映している企業トップのセンチメント、フィリピンへの海外からの投資の流入が加速している現状と中央銀行の市場を意識したよりきめ細かい政策運用についてレポートしました。

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