フィリピンの力強い経済回復・GDP成長とイーロン・マスク氏のフィリピンでの動き

フィリピン経済(GDP)は第2四半期に9%成長した可能性が高いと、フィリピン中央銀行(BSP)のフェリペ M. メダラ総裁は述べています。
Medalla氏は、2022年通年のGDP成長率予測は7%で、政府の目標である6.5%から7.5%の中間点であるとも語っています。
フィリピンの経済活動は、国のほとんどの地域が行動制限を最低レベルにしたため、消費の伸びと資本支出の伸びが今年急速に拡大しています。
第1四半期の家計消費は前年同期比で10.1%増加し、前四半期の7.5%増を上回り、2021年第1四半期の 4.8% のマイナスから反転しました。フィリピンの2022年第1四半期のGDP成長率は8.3%に達しています。
資本支出は、2022年第1四半期に20%増加し、昨年の13.9%の減少から大きく反転しています。
一方、2023年のフィリピンの経済見通しは、世界経済が景気後退に入るかいなかに影響されます。
国際通貨基金(IMF) は先週、2022年と2023年の世界経済の成長予測を大幅に引き下げ、インフレの上昇とロシアとウクライナの戦争が世界経済を景気後退に追い込む可能性があることを指摘しました。世界の GDP成長は今年3.2%、2023年には2.9%と予想されています。
IMFは、フィリピンのGDP成長率予測を、今年は以前の6.5%から6.7%に引き上げましたが、2023年の GDP予測を以前の6.3%から5%に引き下げました。
メダラ氏は、強力な外国直接投資(FDI)、個人消費、企業センチメント改善のおかげで、政府のGDP目標は達成可能であると述べています。
また、現在、経済の80%はパンデミック前のレベルをはるかに上回っていると思いますとも語っています。
フィリピン中央銀行(BSP)の最新データによると、4月のFDI純流入額は、2021年の同月の6億6,700万ドルから48.3%増加して9億8,900万ドルになりました。

メダラ氏はまた、経済は中央銀行の積極的な金融政策に対応し、インフレを抑えることができるとも述べています。
フィリピン政府は、政府の無料Wi-Fiプログラムにあのテスラモーター創業者・Elon Musk氏の衛星通信ネットワーク会社・Starlink(Musk氏の人口衛星打ち上げ会社SpaceXのグループ会社)を参加させることを検討しています。
Starlinkは2022年12月までに、フィリピンでの商用人口衛星打ち上げに取り組んでいます。消費者がインターネットの速度の遅さに長年不満を持っているフィリピンが、東南アジアでの同社の最初の事業となる見込みです。
Starlinkのサービスには初期費用として599ドル(パラボラ アンテナ、ルーターなどのデバイスの一括払い)、月額99ドルのサービス料がかかり、平均的なフィリピンの家庭にとっては高額ですが、情報通信技術長官の Ivan John Uy 氏は、政府は州の無料インターネット プログラムの一環としてStarlink社のサービスを活用する可能性があると述べています。
Uy氏によると、既存の通信会社は事業採算性の問題から、離島などの遠隔地域に充分な投資ができていないとともに、これらの地域の人々には、Starlinkのサービスを利用する余裕がない可能性があるため、政府が介入する必要があり、無料のWi-Fiプログラムを展開するための予算を準備すると述べました。
情報通信技術庁は、地方自治体と協力して、どのように機器をセットアップし、接続をセットアップできるかについて調査しています。
フィリピン政府は2022年5月に米Starlink社の通信事業への参入を認可しました。これは通信事業における外資規制を撤廃する昨今の法律改正によって可能になりました。

今回は、コロナ後のフィリピンの力強い経済回復とそれを支える通信インフラ特にイーロンマスク氏のスターリンクの動向についてレポートしました。

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