フィリピン・マルコス大統領と中国習近平国家主席との会談で、何が変わるか?

マルコス大統領は、フィリピン経済に大きな影響力のある中国を訪問し、習近平国家主席と会談しました。
1月5日に共同声明が発表されました。
石油、ガスが埋蔵され、フィリピンのマニング関連銘柄にも大きな影響のある南シナ海問題については、平和的解決に向け、外交当局間での直接対話の枠組みを創設することで合意しました。
両国は2016年にオランダ・ハーグの仲裁裁判所が下した南シナ海における中国の領有権の主張を否定する判決を受けて悪化した関係の修復に努めており、共同声明には、安全保障上の緊張緩和や経済協力推進に向けた14の合意事項が含まれました。
具体的には、南シナ海での石油とガスの探査に関する協議を再開するということです。
また、資源関連以外の分野では、太陽光、風力、電気自動車、原子力などクリーンエネルギー分野、脱炭素化の分野での協力が盛り込まれています。
南シナ海に落下した中国のロケットの残骸を昨年11月にフィリピンの船が回収しようとしたところ、中国海警局の船が阻止したとされる事案から、ロケットを発射する際は相互に通知し、残骸の回収で協力することも検討項目に入っています。
南シナ海の平和と安定、航行と飛行の自由を維持することの重要性を再確認、安全保障に関する対話を毎年開催することも決めました。
経済分野における協力では、中国がフィリピンからの輸入を拡大し、新型コロナウイルス前の水準以上に増やす。観光客や両国首都間の航空便もコロナ禍前の水準に戻すことを目指すとしています。
また、新型コロナのワクチン調達でも協力するほか、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に関する新たな覚書も交わしました。
フィリピン側からの声明では、中国の投資家はマルコス大統領と会談し、228億ドル規模の投資を約束したとしています。
投資の内容は太陽光と風力を中心とした再生可能エネルギー分野に、137億6,000万ドル、電気自動車や鉱物加工などに73億ドル、農業関連に17億ドルとしています。
具体的に、フィリピンのどのエネルギー企業やマニング企業あるいは農業関連企業がこの中国からの投資から恩恵を受けるか今のところわかりませんが、投資家としては、しっかりウォッチするべきポイントになります。

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