円安の影響やリスク分散を考えて、海外不動産を購入したいと検討している方も多いでしょう。
人口増加や経済成長が期待できる国に不動産投資をすれば、安定した収入を狙えます。
しかし、安易に海外不動産に手を出すと「想定した利益が得られない」と後悔する可能性もあるので注意が必要です。
そこで本記事では、海外不動産が注目されている理由や税金など、購入前に知っておくべきことを解説します。
失敗しない会社選びのポイントについても紹介するので、参考にしてください。
海外不動産投資とは?
海外不動産投資とは、海外にあるマンションやコンドミニアムなどの不動産へ投資することです。
投資対象の国や地域は、アメリカ・ヨーロッパなどの先進国とフィリピンやマレーシアなどの新興国の主に2種類に分類できます。
不動産を購入するエリアによって、以下のように特徴が異なるので把握しておくことが重要です。
種類 | 特徴 | ||
先進国 |
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新興国 |
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海外不動産投資で利益を得る方法は、キャピタルゲイン(売買差益)とインカムゲイン(家賃収入)の2種類となります。
なぜ海外不動産の購入が注目されているのか?
海外不動産の購入が注目されている理由は、以下の3つです。
- 海外の不動産価格が高騰している
- 安定した家賃収入を狙いやすい
- 分散投資のため
それぞれの理由について、解説していきます。
理由①:海外の不動産価格が高騰している
経済成長や人口増加している国では不動産価格が高騰しているため、不動産投資が注目されています。
例えば、ニューヨーク・上海・シンガポールなどの各都市では2021年4月以降マンションの価格指数は上昇し続けているのが現状です。
また、タイで2023年1~3月の間に外国人が購入したマンションの数は前年同時期と比較して、1.8倍にも増えており、注目度が高いことが分かります。
引用元:一般財団法人日本不動産研究所|「国際不動産価格賃料指数」(2023年4月現在)の調査結果
理由②:安定した家賃収入を狙いやすい
人口増加が起きている国では空室リスクが低く、安定した家賃収入を狙いやすいため、不動産投資が人気となっています。
特にマレーシア・フィリピン・タイなどの途上国では、今後も人口増加が見込まれることから投資先として人気です。
また、アメリカなどの欧米では中古住宅の価値が高く、日本のように賃料を下げる必要がないので、長期的に手堅くインカムゲインを得られます。
理由③:分散投資のため
国内のみに投資を集中させると、日本の経済状況や人口減少が原因で損をする可能性があり、分散投資を目的に海外の不動産を購入する投資家が増えています。
国内の不動産価値が下がるケースがあっても、海外にも投資しておけば資産に与える影響を軽減できるのがメリットです。
さらに、日本は地震や台風などの自然災害のリスクも高く、分散投資が重要だといえるでしょう。
海外不動産投資収益の税金はどうなる?
海外不動産への投資収益に対する税金は、日本に住んでいるのであれば、基本的に日本の制度が適用されます。
オーナーの国籍や住所によって所得税の対象・範囲が異なり、下表の通りです。
種類 | 内容 | 所得税の範囲 | |||
居住者 |
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国外源泉所得を含む全所得 | |||
非永住者 | 居住者のうちで以下の全てに該当する人
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非居住者 | 居住者・非永住者に該当しない人 | 国内源泉所得のみ |
なお、投資先の国でも所得税を課される可能性がありますが、外国税額控除を利用すれば二重課税を調整できます。
引用元:
海外不動産投資のメリット
海外不動産投資のメリットは、以下の2つです。
- 売却益が高くなりやすい
- 円安でもリスク分散になる
メリットを最大限に活用して、海外不動産投資に取り組みましょう。
メリット①:売却益が高くなりやすい
海外には住宅価格が大きく上昇している国が多くあり、高い売却益を得られる可能性があります。
OECD統計による、2018〜2022年の住宅価格指数の変化率を比較すると、以下の通りです。
- 日本:16.9%
- アメリカ:50.9%
- カナダ:38.0%
- ドイツ:33.9%
日本の住宅価格も上昇していますが、アメリカをはじめとして諸外国の変化率のほうが日本を大きく上回っており、大きな収益を得られることが分かります。
引用元:第一生命経済研究所|2023年「安い日本」が資産価格を押し上げている~日米物価格差は格段に広がっている~
メリット②:円安でもリスク分散になる
海外不動産投資を運用していれば外貨で収入を得られるため、円安時のリスク分散につながります。
東南アジアで米ドルが主な通貨として利用することが珍しくなく、アメリカ以外の場合でも米ドルでの収入が可能です。
また、円安時に海外不動産を売却して日本円に替えれば、円高の場合よりも大きな利益を得られます。
海外不動産投資のデメリット
海外不動産投資のデメリットは、以下の2つです。
- 情報収集が困難
- 自己管理ができない
投資をスタートさせてから後悔しないために、デメリットも考慮しましょう。
デメリット①:情報収集が困難
海外不動産に関する情報は英語や投資先の国の言語で書かれているため、情報収集が困難です。
さらに、物件を直接確認するのは難しく、第三者から提供される情報で物件の購入を判断する必要があります。
特に情報収集が困難となる新興国では、信用できるエージェントを見つけることがポイントとなるでしょう。
デメリット②:自己管理ができない
日本に住みながら海外投資をする際には、現地で物件を管理できないので、現地の業者に任せる必要があります。
依頼先の業者がクレーム対応や入居者募集など物件管理に関する業務を怠っていたとしても、状況を把握するのは困難です。
安心して管理を委託できる現地業者を探し出すことが、不動産投資を成功させる鍵だといえます。
ちなみに弊社GSR株式会社は、情報収集や自己管理に関してはご安心いただける体制を整えていますので、お気軽にご相談ください。
海外不動産投資で節税はできる?税制改正と減価償却
海外不動産投資で一定の節税効果は狙えますが、2020年度の税制改正以前のような効果が得られないのが現状です。
税制改正以前では、海外の中古不動産は日本の法定耐用年数で減価償却と損益通算できたことから大きな節税効果があったといえます。
具体的には、法定耐用年数を過ぎた中古物件であれば4年など短期間で減価償却ができ、赤字部分を給与所得と損益通算できたことから、課税所得を抑えられました。
税制改正以後は、赤字部分は生じなかったものと見なされるので、課税所得を減らせません。
ただし、税制改正の対象は個人であるため、法人の場合は引き続き節税効果を狙えます。
引用元:総務省|令和2年度税制改正の大綱
海外不動産投資で失敗しない会社の3つのポイント
海外不動産投資で失敗しない会社のポイントは、以下の3つです。
- 海外不動産仲介の資格取得
- 現地の情報提供
- 購入後のフォロー
ポイントを押さえておけば、スムーズに海外不動産投資に取り組めるでしょう。
ポイント①:海外不動産仲介の資格取得
海外不動産の仲介会社を判断する指標として、投資先の国の不動産仲介に関する資格を取得しているかチェックするのがおすすめです。
アメリカ・中国・韓国などは、仲介業者に資格保有者を設置することが義務付けられており、投資する際の重要な判断材料となります。
詐欺の被害に遭う危険性もあるため、合法で適正な取引ができる会社かしっかりと見極めましょう。
ポイント②:現地の情報提供
将来性のある不動産購入を判断するためには、有益で具体的な現地情報を提供してくれる仲介会社を選ぶことが大切です。
例えば、以下の情報を持っている仲介会社は不動産に関する詳しい情報を提供してくれるでしょう。
- 不動産周辺の都市開発情報
- 不動産周辺の類似物件の有無や販売情報
- 不動産周辺に住む人の年齢層や年収情報
また、英語など言語に自信のない場合は、日系不動産会社を利用する方法もあります。
ポイント③:購入後のフォロー
不動産の管理や売却をスムーズに実施するためには、購入後のフォロー体制が充実した仲介会社を選びましょう。
仲介会社によっては、購入までのフォローしか対応していない場合もあるので注意が必要です。
仲介会社が管理会社を紹介するケースや、仲介会社が不動産購入から管理・売却までトータルサポートするケースなどさまざまなので、事前にフォロー範囲を確認してください。
海外不動産投資ならフィリピンがおすすめ
海外不動産投資とは、先進国や新興国にあるマンションやコンドミニアムなどの不動産へ投資することです。
近年は海外不動産の価格が高騰しているため、多くの投資家から注目を集めています。
売却益が高くなりやすいメリットがある一方で、情報収集が困難になるデメリットもあるので注意が必要です。
信頼できる仲介会社を見つけて、海外不動産投資を成功させましょう。
海外不動産投資を検討しているのであれば、人口が右肩上がりのフィリピンがおすすめです。
フィリピン不動産投資に興味のある方は、【知らないと失敗する!】フィリピン不動産投資をする前に!の動画もご覧ください。
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この記事の監修
一般社団法人 フィリピン・アセットコンサルティング
エグゼクティブ・ディレクター
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慶応義塾大学経済学部卒業後、東急に入社し、海外事業部にて、米国・豪州・ニュージーランド・東南アジアなどで不動産開発や事業再構築業務に従事。
また、経営企画部門にて東急グループの流通・メデイア部門の子会社・関連会社の経営・財務管理を実施した。(約15年)
その後は、コンサルティングファーム(アクセンチュア)や投資ファンド(三菱UFJキャピタル)などで、企業や自治体の事業再構築、事業民営化等の支援や国内外のM&A案件のアドバイザリーを実施し、2018年10月より、GSRにて、日本他の投資家および企業、ファンドなどに対してフィリピン不動産への投資や事業進出のアドバイザリーを行っている。