マルコス大統領の施政方針演説で見えてきたフィリピンの成長分野とは

マルコス大統領は、施政方針演説で、自ら農業大臣に就任する農業分野の強化、エネルギー調達安定化とクリーンエネルギーへのシフト、交通インフラ建設・ビルドビルドビルドの維持とPPP活用、そしてブロードバンド通信とデジタル化の加速などについて強調しました。
それを受けて、フィリピンの主要通信会社は、マルコス政権のデジタル政策に期待を寄せつつ、ブロードバンド通信を拡大するという政府の計画への支持を約束しました。
情報通信技術庁(DICT)に、国のブロードバンド計画、通信タワープログラム、海底ケーブル、光ファイバケーブル、および衛星技術ブロードバンドを通じてデジタル接続を拡大していく政策です。
マルコス氏はまた、量子コンピューティング、人工知能、ナノテクノロジー、IOT、ロボット工学、自動運転電気自動車、3D印刷、仮想および拡張現などの画期的なテクノロジーを活用して経済を活性化することも強調しました。
マルコス政権の優先措置を法制化したものが、電子統治法とインターネット取引法です。
これらをサポートするために、大手通信PLDT社は「ファイバーインフラストラクチャの範囲と容量を拡大し続けており、フィリピン全土でファイバーツーザホーム(FTTH)サービスを提供し、高地や離島に到達できるようにしています」と述べています。
「新政権がユニバーサルコネクティビティを優先していることを嬉しく思います。特に、デジタル化が私たちのすべての活動の中心であるこの重要な時期に」とコンバージのCEO兼共同創設者は声明で述べています。
DITO Telecommunity Corp.は、フィリピン全土の接続性を高めるというマルコス氏の政策を全面的に支持するととともに、「私たちはコミットメントを満たすために積極的にネットワークを構築しており、信頼性が高く高速なインターネット接続に対するフィリピンの消費者の高まる需要に対応するために大規模な投資を行っています」と付け加えました。
DITOの最高技術責任者は、サービスが不十分な地域とサービスが提供されていない地域に到達するために衛星技術を利用するという同社の計画も発表しました。

マクタンセブ国際空港(MCIA)の乗客数は、今年の最初の5か月で大幅に増加しましたが、貨物量は減少しました。
国際線の乗客数は、前年同期の44,365人から今年の最初の5か月で190%増加して128,618人になり、国内線の乗客数は以前の330,476人から348%増加して150万人になりました。
一方、国際貨物量は、昨年の同時期の920万kgから今年の1月から5月の期間に25%減少して690万キログラム(kg)になりました。国内貨物量は、1,220万kgから40%減少して730万kgになりました。
マクタンセブ国際空港は、官民共同事業(PPP)で、民間企業であるGMR-MegawideCebuAirport Corp.(GMCAC)が運営しています。
同社はフィリピンの大手ゼネコン・メガワイド社とインドのインフラ会社GMRグループとの合弁会社で、政府との25年間のPPP契約に基づき、2014年に空港の陸上施設の開発・運営を引き継ぎました。
同社は、4月から実施されている移動制限の緩和措置の結果、第2四半期に貨物と乗客の量が増えると予想しています。
パンデミック前は、MCIAはメガワイド社のEBITDA(または利息、税金、減価償却前の収益)と純利益の半分を稼ぎ出していました。
国内外の需要の急増は、コロナ禍で鬱積されていた旅行需要の急回復を示しており、予防接種率の上昇と新しい症例数の減少が、さらに旅行に対する消費者の需要を後押しすると同社はみています。

今回は、マルコス大統領の施政方針演説の内容から、国として優先する政策そして産業分野の中から通信分野の動向と一部PPPの動きについて、書きました。
マルコス大統領の施政方針演説の内容とそれがどのように具体的な政策に落とし込まれ、国のマクロ経済やそれぞれの産業分野に影響していくのか、今後もウォッチし、読者の皆様にレポートしていきます。

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