コロナ後モードで活発化するフィリピンにおける日本企業の動き

トヨタ モーター フィリピン(TMC)は、現地の自動車販売がパンデミック前のレベルに近づく中、将来の成長に向けてより手頃な価格の車種を提供することを目指しています。
フィリピンの自動車市場はモータリゼーションの段階にあり、人口あたりの自動車保有率が年々増加しています。まさに、フィリピン経済の成長と連動している形です。特に市場のローエンドセグメントで成長が予想されています。ローエンドとは、100万ペソ以下です。
トヨタはは最近、手頃な価格の商用車セグメント向けにライトエースを発売しました。これに加えて、ライズ、アバンザ、ベロスなどのローエンド モデルのラインナップも強化しました。
トヨタの売上高もパンデミック前のレベルに近づいてきました。
1月から6月(2022年)の売上高は、2019年のレベルに対して約85%から90%と、順調に回復に向かっています。そして、前年比では約15%から20%の成長を示しています。
TMPCは、2022年通年では、2019年と同じレベルまたはパンデミック前のレベルを目標としていて、160,000~ 162,000台の販売を見込んでいます。1月から6月にかけて80,000台以上が販売され、順調に推移しています。
一方、電気自動車については、コストが高いため、フィリピンでの普及には時間がかかるとみています。
特に、バッテリー電気自動車の場合、充電ステーションが必要で、フィリピンではこのインフラ整備に時間を要する見込みなので、ハイブリッド車に焦点を当てています。
ハイブリッド電気自動車の販売は、2019年から 10倍に増加しました。これは、燃料価格の上昇が非常に意識されていることと関連しています。
現在、TMPCのハイブリッド車には、カローラクロス ハイブリッド、カローラ ハイブリッド、カムリハイブリッド、とRAV4ハイブリッドがラインナップされています。
TMCにとっての主なリスクは、自動車の価格が人々が買える価格よりも高くするすべての要因です。それは為替レートかもしれないし、部品価格の高騰や追加税かもしれません。
フィリピン自動車製造業者協会とトラック製造業者協会の最新データによると、7月末時点でフィリピンでの自動車販売台数は182,687台で、前年同期比18.4%増加となっています。
このうち、トヨタ フィリピンの販売台数は 94,026台で、市場シェアは51.47%です。
2021年の販売台数268,488台と比較して17%増加し、今年は336,000台を販売することを目標としていると発表しています。

セブン-イレブンを運営するフィリピン セブン コーポレーションは、上半期に161店舗の新規店舗を完成させ、2022年の目標である300店舗のネットワーク拡大の半分を超えたと発表しました。
上半期末時点で、セブン-イレブンの店舗数は3,241に達し、マニラ首都圏で1,057店舗、ルソン島 (マニラ首都圏外) で1,402店舗、ビサヤ地方で464店舗、ミンダナオで318店舗となりました。
特に、ビサヤ・ミンダナオ地域の店舗数が急速に拡大しており、今後も拡大し続ける見込みです。
同社はまた、7月31日現在、セブン銀行の現金自動預け払い機 (ATM) の数が、946台となりました。2022 年末の目標数は1,854台です。
ATMを導入することにより、セブン-イレブンの店舗運営者は、店舗の売り上げを即入金できると共に、顧客はATMから引き出した資金で買い物をするというリサイクルが実現します。
第2四半期、フィリピンセブンは6億9,128万ペソの純利益を報告し、昨年の1億324万ペソの純損失から黒字転換しました。
売上高は、前年同期の111億ペソから166億2,000万ペソへと49.8%の増収を記録しました。
上半期合計の純利益は8億9,041万ペソに達し、昨年の4億290万ペソの純損失から黒転し、売上高は、昨年の222億ペソから35.9%増加して301億8,000万ペソになりました。

JOLLIBEE Foods Corp. は、Yoshinoya International Philippines, Inc. (YIPI) との合弁事業の一環として、8月19日に Glorietta1モール内のお店を再オープンしました。
この店はもともと2012年にオープンし、現代的でカジュアルな日本のスタイルに適応するように再設計され、再オープンしました。
2021年6月、ジョリビー グループは YIPI (Asia Yoshinoya International Sdn. のフィリピン子会社) と折半出資の合弁会社を設立しました。
このパートナーシップにより、吉野家の店舗網を長期的に50店舗に拡大する計画です。
駐フィリピン日本国大使の越川一彦氏は「フィリピン人は再び吉野家の味にふれることができる。フィリピン人が、ここフィリピンで、日本と同じ品質と価格でこの日本人に人気の味を楽しんでくれたら、とても素晴らしいことです。」とコメントしています。
グロリエッタ1店とは別に、SM North EDSA、カローカン、Eastwood の SM Grand Centralで、吉野家の強化されたメニューと現代的でカジュアルな日本スタイルのお店がオープンします。
吉野家は、バーガーキング、PHO24、パンダエクスプレスなど、ジョリビーグループの海外フランチャイズブランドの一つです。
現在、吉野家は、フィリピン、日本、アメリカ、香港、中国、シンガポール、マレーシア、台湾、インドネシア、タイ、カンボジア、ベトナムなど、世界中に2,000を超える店舗を展開しています。
一方、ジョリビーは 34 か国で事業を展開しており、世界中に 6,200 を超える店舗があり、Jollibee、Chowking、Greenwich、Red Ribbon、Mang Inasal、Yonghe King、Hong Zhuang Yuan、Smashburger の 8 つのブランドポートフォリオを有しています。
以上、今回はコロナ後の移動制限緩和、経済回復が進む中、フィリピンに進出する日系企業の動向をみて参りました。

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