米系不動産サービス大手コリアーズ・インターナショナル・フィリピンは、2021年通年のマニラ首都圏のオフィス空室率が15.6%に達するとの予測を示しました。前回の予想から3.1ポイント引き上げました。長引く新型コロナウイルスの流行がオフィス市場に影響を及ぼしています。
首都圏のオフィス空きスペースは、6月末時点で37万平方メートルに達しました。4~6月期の空室率は12.7%と、前期比1.7ポイント上昇しました。新規供給量は2.5倍の14万2,400平方メートルでした。コリアーズは48万2,800平方メートル分が年内に供給されるとみています。
空室率の上昇に伴い、2021年通年のオフィス賃料は前年から20%下落すると予測しています。コリアーズは、オフィス市場の回復について「ワクチン接種計画の進捗(しんちょく)具合や外出・移動制限の緩和状況による」との見解を示しました。
この記事の監修
一般社団法人 フィリピン・アセットコンサルティング
エグゼクティブ・ディレクター
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慶応義塾大学経済学部卒業後、東急に入社し、海外事業部にて、米国・豪州・ニュージーランド・東南アジアなどで不動産開発や事業再構築業務に従事。
また、経営企画部門にて東急グループの流通・メデイア部門の子会社・関連会社の経営・財務管理を実施した。(約15年)
その後は、コンサルティングファーム(アクセンチュア)や投資ファンド(三菱UFJキャピタル)などで、企業や自治体の事業再構築、事業民営化等の支援や国内外のM&A案件のアドバイザリーを実施し、2018年10月より、GSRにて、日本他の投資家および企業、ファンドなどに対してフィリピン不動産への投資や事業進出のアドバイザリーを行っている。