フィリピンの総合化学メーカー、D&Lインダストリーズが11日発表した2021年1~6月期連結決算は、純利益が73.9%増の13億9,500万ペソ(約30億6,200万円)、売上高が36.7%増の139億500万ペソでした。新型コロナウイルス対策の外出・移動制限措置の影響を受けた前年同期から、全部門で純利益が回復し、コロナ前の19年の水準に戻りました。
純利益を部門別に見ると、食品成分が2.4倍の4億5,700万ペソと最も伸びました。特殊プラスチックが52%増、消費財が39%増、化学製品が37%増と、いずれも2桁増益でした。外食業界で持ち帰りや宅配の需要が高まったことなどが押し上げました。
アルビン・ラオ社長兼最高経営責任者(CEO)は、6日からマニラ首都圏などの外出・移動制限が最も厳しい措置に引き上げられたものの、「事業に大きな影響はない」との見方を示しました。クリスマスシーズンの始まりや22年の選挙に向けた支出増、年内にバタンガス工場が稼働する点などに言及し、事業の先行きを楽観しています。
この記事の監修
一般社団法人 フィリピン・アセットコンサルティング
エグゼクティブ・ディレクター
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慶応義塾大学経済学部卒業後、東急に入社し、海外事業部にて、米国・豪州・ニュージーランド・東南アジアなどで不動産開発や事業再構築業務に従事。
また、経営企画部門にて東急グループの流通・メデイア部門の子会社・関連会社の経営・財務管理を実施した。(約15年)
その後は、コンサルティングファーム(アクセンチュア)や投資ファンド(三菱UFJキャピタル)などで、企業や自治体の事業再構築、事業民営化等の支援や国内外のM&A案件のアドバイザリーを実施し、2018年10月より、GSRにて、日本他の投資家および企業、ファンドなどに対してフィリピン不動産への投資や事業進出のアドバイザリーを行っている。