フィリピン統計庁(PSA)は4日、2021年5月の消費者物価指数(CPI、12年=100)が127.8となり、前年同月比4.5%上昇したと発表した。2カ月連続で前月から横ばいだった。
収穫時期でコメの価格が下落したほか、天候が良好で野菜や果物の供給も安定したことが物価の下落要因となった一方、アフリカ豚熱(ASF)の発生による食肉価格の上昇が続き相殺した。フィリピン中央銀行は、5月のインフレ率を4.0~4.8%と予測していた。
5月の物価上昇率を項目別に見ると、食品・非アルコール飲料は4.6%と3カ月連続で鈍化した。運輸は16.5%上昇と、6カ月ぶりに加速ペースが鈍化した。
価格変動が大きい食品とエネルギーの一部を除いたコアインフレ率は3.3%となり、前月から横ばいだった。
政府は2月以降、豚肉の価格統制や関税の引き下げに動いている。国家経済開発庁(NEDA)は声明で「関税引き下げ効果は6月から出てくる」との見通しを示した。
この記事の監修
一般社団法人 フィリピン・アセットコンサルティング
エグゼクティブ・ディレクター
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慶応義塾大学経済学部卒業後、東急に入社し、海外事業部にて、米国・豪州・ニュージーランド・東南アジアなどで不動産開発や事業再構築業務に従事。
また、経営企画部門にて東急グループの流通・メデイア部門の子会社・関連会社の経営・財務管理を実施した。(約15年)
その後は、コンサルティングファーム(アクセンチュア)や投資ファンド(三菱UFJキャピタル)などで、企業や自治体の事業再構築、事業民営化等の支援や国内外のM&A案件のアドバイザリーを実施し、2018年10月より、GSRにて、日本他の投資家および企業、ファンドなどに対してフィリピン不動産への投資や事業進出のアドバイザリーを行っている。