欧州系格付け会社のフィッチ・レーティングスは23日、フィリピンなど東南アジア各国には、フィンテック(ITを活用した金融サービス)産業の成長余地があると報告書で明らかにしました。若年層の厚さや銀行口座保有率の低さなどが、フィンテック普及の鍵になるとみている。
フィッチによると、東南アジア諸国連合(ASEAN)主要6カ国の人口の半数以上は35歳以下で、向こう10年の所得の伸びを考慮すると、この若者層が金融サービス需要を喚起することが期待される。
フィリピンやベトナムでは銀行口座保有率が低く、フィンテック産業に有利になるとの見方を示しました。群島国家であるフィリピンは、供給コストの観点から遠隔地への金融サービスの普及が遅れている。IT技術の発展により、今後は銀行が避ける低所得者への与信業務をフィンテック企業が開拓するとみています。
フィリピン中央銀行は、2023年までに全決済に占める電子決済の割合を50%に引き上げる目標を掲げている。フィッチは、規制当局がフィンテック普及に積極的なことも同産業の成長を後押しすると指摘しました。
この記事の監修
一般社団法人 フィリピン・アセットコンサルティング
エグゼクティブ・ディレクター
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慶応義塾大学経済学部卒業後、東急に入社し、海外事業部にて、米国・豪州・ニュージーランド・東南アジアなどで不動産開発や事業再構築業務に従事。
また、経営企画部門にて東急グループの流通・メデイア部門の子会社・関連会社の経営・財務管理を実施した。(約15年)
その後は、コンサルティングファーム(アクセンチュア)や投資ファンド(三菱UFJキャピタル)などで、企業や自治体の事業再構築、事業民営化等の支援や国内外のM&A案件のアドバイザリーを実施し、2018年10月より、GSRにて、日本他の投資家および企業、ファンドなどに対してフィリピン不動産への投資や事業進出のアドバイザリーを行っている。