経済状況や天候、治安の良さ、暮らしやすさから東南アジアへ移住する人は年々増えています。
しかし中には、東南アジアに移住したいけれど、どのような手続きを踏めば、永住権を取得できるのかわからない方も多いのではないでしょうか?
原則として、他国の永住権を取得することは簡単ではありません。
だからこそ、事前にどのようなビザがあり、永住の資格を取得できるかを把握しておく必要があります。
本記事では、東南アジアで永住権・長期滞在ビザを取得できる5つの国について詳しく紹介します。
>>フィリピン永住権セミナー開催中!<<
どんな時でも入国できて、期限関係なく住めて、仕事したり、遊んだり、そして資産も持てる国で永住権をお探しの方必見のセミナーです。
東南アジアで永住権は取得できる?
東南アジアには、永住権を取得できる国がいくつか存在します。
ただし、永住権の取得にはいくつか条件が設定されており、現地の方との結婚や5年以上の滞在歴が必要など、難易度が高いものも多いようです。
その点、長期滞在ビザであれば、実質的に永住権と同じ効果を発揮します。
永住権よりも比較的、取得難易度が低いので、多くの海外移住者に活用されています。
海外移住者に人気のリタイアメントビザとは
リタイアメントビザとは、仕事を退職した人を対象に、海外で暮らすために発行されるビザです。
なお、リタイアメントビザの取得条件は国によって異なるため、年齢・収入・資産など、詳細な条件を確認しておく必要があります。
たとえば、フィリピンで発行されているリタイアメント用特別永住権の場合は、以下のような条件が設定されています。
- 35歳以上(2023年時点では、一時的に50歳以上に引き上げられている)
- 預託金が一律20,000ドル(約280万円※1)、要介護者などの場合は一律10,000ドル(140万円)
一方、タイのリタイアメントビザの場合、満50歳以上で800,000バーツ(約320万円※2)以上の貯金がある方と設定されています。
また、月65,000バーツ(約24万円※2)以上の年金収入がある方も永住権の取得条件を満たします。
事前に永住・長期滞在したい国のビザ取得条件を入念に確認しておきましょう。
リタイアメントビザは滞在期間が短い観光ビザと比べて、長期滞在、つまり実質永住が可能なため、東南アジアで楽しく暮らしたい方におすすめです。
※1 2023年6月14日の為替レート(1ドル=約140円)で算出
※2 2023年6月14日の為替レート(1バーツ=約4円)で算出
永住権・長期滞在ビザを取得できる東南アジアの国5選
東南アジアで永住権・長期滞在ビザを取得できる国は以下の5ヵ国です。
- フィリピン
- マレーシア
- タイ
- インドネシア
- カンボジア
ここからは、永住権・長期滞在ビザを取得できるおすすめの国についてそれぞれ詳しく紹介します。
フィリピン
フィリピンは東南アジアの中でも比較的、簡単に永住権・長期滞在ビザを取得できる国の一つです。
温暖な気候と物価の安さ、英語が通じることから日本人に人気の移住先となっています。
現地には、日本食レストランや日系スーパーもあるので食事には困りません。
また、日本との時差が1時間のため、日本在住の方とも連絡が取りやすい点もフィリピンの魅力です。
フィリピンのビザについて
フィリピンで取得できるビザは、おもに以下の5種類です。
ビザの種類 | 滞在期間・ビザの概要 |
雇用ビザ (Prearranged Employee Visa) | ・2年(3年まで延長可能) ・就労先を通して取得するビジネスビザ |
学生ビザ (9F) | ・入国から最長1年延長可能 ・留学先を通して取得する留学ビザ |
特別投資家居住ビザ (SIRV) | ・投資する限り無制限(毎年更新が必要) ・必要な資格と投資額を継続する限り取得可能 |
リタイアメントビザ (SRRV) | ・無制限(毎年更新が必要) ・フィリピン国内に定期預金することで取得可能 |
APECO特別永住権プログラム (ASRV) | ・無制限 ・地域の振興開発事業プログラムに参加すると取得可能 |
永住権を取得する際は、長期で住むことが想定されます。
フィリピン移住の際は、長く暮らすために重視したいポイントも確認しておきましょう。
【関連記事】フィリピン永住権の取得方法となる費用 免税についてもご相談
マレーシア
マレーシアは、首都クアラルンプールを中心に世界中の人たちの移住先として人気の国です。
移民が多く、宗教や食文化も多様な国として知られています。
また、国土の約60%が熱帯雨林であり、自然が豊かなところもマレーシアの魅力といえるでしょう。
マレーシアのビザについて
ビザの種類 | 滞在期間・ビザの概要 |
項雇用パス(Employment Pass) | ・最長10年間 ・就労先を通して取得するビジネスビザ |
レジデンス・パス(Residence Pass) | ・最長10年間 ・就労先を通して取得するビジネスビザ |
プロフェッショナル・ビジット・パス(Professional Visit Pass) | ・3〜12ヶ月 ・就労先を通して取得するビジネスビザ |
駐在員の配偶者・子どもの滞在ビザ(Dependent Pass) | ・駐在員の雇用パスの有効期間と同じ ・就労先を通して取得するビジネスビザ |
学生ビザ(Student Visa) | ・最長2年間 ・留学先を通して取得する留学ビザ |
マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H) | ・最長10年間 ・マレーシア国内に定期預金することで取得可能 |
永住許可証 | ・無制限 ・5年以上マレーシアに滞在することで取得可能 |
マレーシアには、就労ビザを取得しなくても長期滞在できるビザがあるため、少しの間、日本から離れて暮らしたい方におすすめです。
中でも、人気のビザは「マレーシア・マイ・セカンド・ホーム」で、滞在期間中は日本とマレーシアを何度でも行き来できます。
50歳以上で約980万円以上の資産証明を持つ方は、最長10年間の実質的な永住が可能です。
タイ
親日家が多いタイは、日本に近い暮らしができる国として、知られている移住先です。
日本人街や日本人マンション、日本食レストランなども多くあるため、海外慣れしていない人でも比較的移住しやすい国といえるでしょう。
タイのビザについて
ビザの種類 | 滞在期間・ビザの概要 |
ノンイミグラントB(就労) | ・発行日から3ヶ月 ・就労先を通して取得するビジネスビザ |
ノンイミグラントO(家族) | ・発行日から3ヶ月 ・タイ人の配偶者や正式就労する人の配偶者と20歳未満の扶養家族などが取得可能 |
ノンイミグラントO(年金受給者・リタイヤメント) | ・発行日から3ヶ月 ・満50歳以上で日本もしくは他国政府の年金受給者が取得可能 |
ノンイミグラントO-A(ロングステイ) | ・発行日から1年 ・就労や永住を目的としない長期滞在が可能 |
ノンイミグラントO-X(ロングステイ10年) | ・最長10年間 ・満50歳以上で3,000,000バーツ以上の預金または収入がある方が取得可能 |
ノンイミグラントED | ・発行日から3ヶ月 ・留学先を通して取得する留学ビザ |
観光ビザ(Tourist Visa) | ・発行日から3ヶ月 ・観光目的で取得可能 |
上記に加えて、近年では「タイランドエリート」と呼ばれる投資型長期プログラムも人気です。
タイ国政府観光庁が運営しており、入会費と年会費を払うと最長20年間滞在できます。
永住権は発行人数の上限が定められているため、ロングステイビザを獲得することで実質、永住が可能となります。
インドネシア
インドネシアは、観光資源が豊富で物価の安さや心地のよい気候から住みやすいといわれている国の一つです。
近年ではDX化が進んでおり、スマホ一つでタクシーの配車や買い物、デリバリー、ベビーシッターの依頼までできるなど、著しく発展しています。
インドネシアのビザについて
ビザの種類 | 滞在期間・ビザの概要 |
観光ビザ(VISA On Arrival) | ・最長60日間 ・観光目的で取得可能 |
ソシアルブダヤビザ(Sosial Budaya Visa) | ・最長180日間 ・文化・芸術交流を目的に取得可能 |
ビジネスビザ | ・1年間 ・就労先を通して取得するビジネスビザ |
リタイアメントビザ | ・最長5年間 ・インドネシア国内に定期預金することで取得可能 |
永住滞在許可証(KITAP) | ・無制限(5年ごとに更新) ・暫定居住許可証(KITAS)取得で申請可能 |
永住の際は、永住滞在許可証(KITAP)の申請が必要です。
5年ごとに更新が必要な長期滞在ビザですが、実質的な永住権とされています。
カンボジア
カンボジアには、アンコールワットやメコン川などの観光名所が多く、日本からのアクセスも良好なので、移住先として人気の国となっています。
また、日本ほどではないですが、比較的治安も良いため、日本人が快適に生活しやすい環境といえるでしょう。
カンボジアのビザについて
ビザの種類 | 滞在期間・ビザの概要 |
観光ビザ(Tビザ) | ・最長1ヶ月 ・観光目的で取得可能 |
カンボジア業務ビザ(Eビザ) | ・最長3年1ヶ月 ・就労先を通して取得するビジネスビザ |
カンボジア・マイ・セカンド・ホーム | ・最長10年間 ・一定の投資と財政的要件で取得可能 |
2022年から申請が開始され、カンボジア内務省が推進する「カンボジア・マイ・セカンド・ホーム」は最長10年のロングステイが可能です。
さらに、5年後にはカンボジア国籍を取得できるため、実質永住も可能となります。
東南アジアで永住権を取得するならフィリピンがおすすめ
東南アジアでも国によって、永住権を取れる資格や条件はさまざまです。
また国によっては、永住権は発給されておらず、長期滞在で実質的に永住が可能なケースもあります。
スムーズに申請手続きを済ませるためにも、自分が移住したい国のビザの条件を事前によく確認しておきましょう。
なお、東南アジアで永住権を取得したいなら「フィリピン」がおすすめです。
フィリピンでの永住ビザは他国と比べてもハードルが低く、預託金が1万ドルからと低く設定されています。
弊社GSR株式会社では、フィリピン移住に役立つ情報を発信しております。
現在友だち追加で「フィリピン移住基本ガイド」全員プレゼント中!
特典はこちらのLINEからお受け取りください
【関連記事】フィリピン移住を後悔した瞬間8選|移住前に行う事前準備をご紹介
【関連記事】フィリピン永住権の種類と申請条件を解説 クオータービザの申請について相談を セミナーも開催
【関連記事】フィリピン移住後の生活費はいくら?1ヶ月あたりの内訳を徹底解説
この記事の監修
一般社団法人 フィリピン・アセットコンサルティング
エグゼクティブ・ディレクター
———
慶応義塾大学経済学部卒業後、東急に入社し、海外事業部にて、米国・豪州・ニュージーランド・東南アジアなどで不動産開発や事業再構築業務に従事。
また、経営企画部門にて東急グループの流通・メデイア部門の子会社・関連会社の経営・財務管理を実施した。(約15年)
その後は、コンサルティングファーム(アクセンチュア)や投資ファンド(三菱UFJキャピタル)などで、企業や自治体の事業再構築、事業民営化等の支援や国内外のM&A案件のアドバイザリーを実施し、2018年10月より、GSRにて、日本他の投資家および企業、ファンドなどに対してフィリピン不動産への投資や事業進出のアドバイザリーを行っている。